2001/09/25      アメリカ国民の愚                                       前頁に戻る

 


    連日のアメリカのマスメディアの狂ったような愛国心の賛美とテロリストに対する飽くなき憎しみを誘う演出はアメリカ国民を復讐心の虜にしてしまったようだ。現在、軍事的な報復攻撃を支持するアメリカ国民は89%に達したとのことだ。マスメディアのマインドコントロールの威力はげに恐ろしきものなり。ここで戦争反対でも唱えようものなら、「非国民」として袋叩きにされそうな勢いだ。アメリカ国民は90%以上がキリスト教徒である。ああそれなのに、それなのに、キリストの教えは何処に行ったのでしょう。「汝の敵を愛せ」、「右の頬を打たれたら、左の頬も出せ」、これが本来のキリストの教えなのですよ。しかしどうですか、今のアメリカ国民にはキリストの教えなどこれっぽっちも通じませんね。二億六千万人が復讐心に駆られて狂人と化した如くです。このアメリカ国民の動向を見るにつけ、いかに宗教というものが建前だけの偽善的で無力なものかよく分かります。人間、土壇場に追い込まれると、どうしても感情が先走るものなのですよ。

    アメリカ国民というのはつくづく馬鹿な国民ですね。あれほどベトナム戦争で多くの犠牲を払って国力を疲弊させ、もう軍需産業を儲けさせるばかりの阿呆な戦争はごめんだと言って戦争をやめたくせに。それが二十年もたてばそのことをすっかり忘れて、派手な演出に乗せられ湾岸戦争に突入。その結果、湾岸戦争症候群という奇病に多くの米兵が蝕まれて不幸のどん底に落ちて行った。そしてさらに十年後の今、またもや性懲りもなく騙され、国民が一丸となって戦争にのめりこんで行こうとしている。こいつら本当の馬鹿だよ。「馬鹿は死ななきゃ、なおらない」とはアメリカ国民のためにある言葉だ。おまえら、何処まで騙されれ続ければ気だ済むんだい。まっこと、ほんまの阿呆。

    世界の国々でアメリカの軍事的な報復攻撃を支持しているのはイスラエルだけで、他の国はみんな報復攻撃には否定的で冷淡である。でも戦争反対なんて絶対に言わない。下手にアメリカの軍事行動に反対して「敵国」にされてはかなわないからだ。みんなじっと成り行きを静観している。そして腹の中では「この馬鹿」と思いながら、黙って必死で算盤をはじいて皮算用をしているのだ。特に東アジアの国々は日本をはじめとして、対岸の火を残酷な美しい花火か何かのように見つめているわけだ。「このまま黙ってアメリカの後押ししてりゃ軍需景気の大きなおこぼれが頂戴できるぞ。戦争特需で財政赤字も不良債権も一気に吹き飛ばし、夢のバブルの再来だ。構造改革、なんやそんな辛気臭いもん。わしゃ知らんわい」てなわけで、日本も、中国も、韓国も、台湾も、みんな一緒にその夢を追って一途の望みを託しているのである。