2001/09/21     国際金融資本とは                                        前頁に戻る

 


    副島隆彦氏は「今日のぼやき(197)−2001.9.20」で米国の同時多発テロの主謀者を推理し、現時点で国際金融資本のロスチャイルド系がサウジアラビアの反サウド王家の強硬派を支援して起こした謀略である推理している。目的は国際金融資本のロックフェラー系にダメージを与え米国経済を崩壊に導くことにあると解析している。しかし私はこの見解には賛同できない。

    副島氏はその著書「堕ちよ!日本経済」の中でアメリカの真の支配者をロックフェラーとしている。アメリカ政府も、アメリカ議会も、ウオール街も、アメリカの軍産複合体も行き着くところ、デビット・ロックフェラーの手中にあり、彼が全ての支配の糸を束ねているという見解である。

    国際金融資本をロスチャイルドとロックフェラーの二大金融財閥に大別し、両者の傘下の企業群が互いに熾烈に覇権を争い、食うか食われるかの激しい競争を演じているのが地球上の政治と経済の真の動きであると捉える見方がある。ロスチャイルドをヨーロッパの金融連合、ロックフェラーをアメリカの金融連合と見立て、互いに世界覇権争いを行っているとする考えだ。副島氏はこの見方をしているわけである。これは古くは藤井昇(厳喜)氏などが主張していた国際情勢の見方である。私もかってこういう見方もあるのかと感心し、そのように国際情勢を捉える努力をしたことがあったが、この見方をすると事象が錯綜としてきて逆に本質がまったく見えなくなってしまうのである。それで私はこういう見方は百害あって一理なしと考え、とっくの昔に切り捨ててしまった。真実はもっと単純なものであると思う。

    私はロスチャイルドとロックフェラーは一枚岩であると考えている。彼らは国際金融資本というまとまった一つのシンジケートを構成し利益を共有していると考える。もともとロックフェラーの事業はロスチャイルドによる資金援助から始っている。私はロスチャイルドのアメリカにおける金融資本の代理人がモルガンであったが、それによって育った実物経済(産業資本)の代理人がロックフェラーであったと考えている。この関係は今も続いていると考える。そしてロスチャイルドはロックフェラーより格が一つ上と見ている。ロスチャイルド系企業とロックフェラー系企業は、一見生き残りを賭けて熾烈に競争しているかのように見えるが、これは効率のよい最適の企業経営を行うためのシステム(からくり)だと考える。企業のオーナーは優秀な部下を互いに激しく競争させることによって最良の成果を得るものである。同様に国際金融資本のオーナー(ロスチャイルドやロックフェラー)は傘下の優秀な企業を互い激しく競争させることによって最良の成果を得ているものと考える。

    国際金融資本にとって国家などというものは彼らが肥太るための餌食にすぎない。アメリカという国はその最も美味しい餌食なのだ。彼らはアメリカが経済崩壊し消滅しようとまったく気にしない。アメリカ国民からたっぷり美味しいところを吸い尽くせばそれでいいのである。彼らが一番興味のあるのは彼らの資産が増えていくことだけだ。彼らはその欲望に忠実なだけである。

    したがって私は今回の事件は国際金融資本のシナリオに従って米国政府とイスラエルが組んだ「やらせ」であると考えている。ボーイングはこの事件を受けて民間部門の3万人のリストラを行うという。これで軍需景気となれば膨大な利益がボーイングのオーナーに転がり込むことになるだろう。