2001/08/30      中東情勢                                            前頁に戻る

 


    このところ中東情勢の雲行きが怪しくなってきた。シリアに対してイラクがバックアップを表明、すでに2000人のイラク兵がシリアとイスラエルの国境に派遣された模様である。これに対してアメリカは当然イスラエルを全面的に支援するだろう。このまま進めばパレスチナ紛争は大規模な中東戦争に発展する可能性が出てきた。

    ブッシュ政権が誕生した折りに、この政権の閣僚の顔ぶれから、アメリカは従来の金融・経済戦略から軍事・外交戦略に方向転換することが予想されていた。このところアメリカ経済はFRB(米連邦準備制度理事会)の七度目の利下げにもかかわらず株価は低迷を続け、 個人消費も落込んでいる。もはやアメリカ経済の失速は時間の問題で、悪くすると世界同時不況の導火線にもなりかねない。万策は尽 きたのだ。ここに至ってブッシュ政権はその本来の戦略である「戦争による経済の立て直し」を実行に移す段階に達したようだ。

    この中東戦争の拡大によってアメリカ国内の軍需産業は活況を呈することになるだろう。そしてこれを牽引車にして失速しつつあるアメリカ経済の立て直しをはかるのがアメリカのシナリオだろう。イスラエルとアメリカは初めから出来上がっており、パレスチナ問題はいつも火種として飼われていたわけで、時節が到来したところでイスラム諸国に喧嘩を売り、これを餌食にして儲け、生き延びる作戦なのだろう。アメリカ、イスラエルが使う兵器もイスラム(アラブ)諸国が使う兵器も実は同じ兵器メーカの製造した製品なのである。このように国家間の軍事衝突は煎じ詰めれば経済の問題に尽きるのだ。もともと資本主義は好況→不況→戦争を一つのサイクルとして循環する運命にあるのである。

    この世界情勢下で日経平均は一万一千円を割込み、山藤君の危惧していた一万円割れも時間の問題となってきた。失業率は5%を超え、本格的な冬の時代が到来する。みなさん、サバイバルを賭けて生活防衛に専念しましょう。