2001/07/12      不良債権処理の裏側                                             前頁に戻る

 


    何でアメリカが日本の不良債権処理をこんなに強硬に急がせるのだろうか。今日(7/12)の宮崎学のコメント(http://www.zorro-me.com/2001-7/010712.htm)を読むと日本政府がこの7年間不良債権の処理を棚上げにして来たのは大蔵省の役人や銀行の幹部が「特別背任」の罪を逃れるための時効の時間稼ぎをしたためだという。そしてその時効が過ぎたので彼らは安心して不良債権処理に着手しはじめたのだというのだ。これはアメリカが不良債権処理の棚上げをこの7年間黙認して日本の大蔵省の役人や銀行の幹部の罪をかばってきたということになる。つまりアメリカは日本の大蔵省の役人や銀行の幹部に大きな貸しを作ったのである。

    そして晴れて七年目にアメリカは強硬な不良債権処理を突きつけて来たのである。大きな借りのある日本の大蔵省の役人や銀行の幹部はその恩義に報いるためアメリカの言いなりになる他はない。日本の不良債権処理にともなうアメリカの狙いは何だろう。それは長銀や日債銀で既に実行済みの外資による日本の銀行の乗っ取りだろう。ついでに不良債権処理によって倒産するだろうと予想される建設や流通の美味しそうな企業だけが盗み取られることになるのだろう。

    日本の不良債権処理を断行すると日本の持つアメリカ国債が売られてアメリカの景気が甚大な被害を受け恐慌に突入すると予想されている。(大前研一のコメント:http://www.billtotten.com/japanese/ow1/00476.html)しかし被害を受けるのはアメリカの一般大衆であってアメリカの真の支配者である国際金融資本ではない。彼らは既にもうちゃんと準備は整えているのである。アメリカ国民を少々犠牲にしても不良債権処理の実行によって財務内容が完全にディスクローズされ体力の衰えた日本の銀行や企業を二束三文で手に入れることの方がはるかに大きな利益を生むと考えているのだ。