2001/06/29      財政構造改革の一番の問題点                              前頁に戻る

 


    小泉政府の財政構造改革で一番の問題は不良債権処理をどのように行うかということである。日本の不良債権は金融機関、機関投資家、企業あわせて残り120兆円もある。アメリカは公的資金(国民の税金)を使ってでもさっさとこの不良債権を処理してしまえと圧力をかけてきている。処理の方法は2通りしかない。公的資金を使うか、債権者に自腹を切って処理させるかのどちらかである。

    公的資金を使う場合その資金の調達方法としては赤字国債を増発させるか増税するかのどちらかしかない。小泉は財政構造改革で赤字国債の増発はしないと明言している。赤字国債を増発すれば構造改革そのものがなし崩しになってしまうからである。また今の時点で増税を行えば国民は裏切られたと感じ小泉人気は急落し小泉政権そのものが崩壊するだろう。前門の虎、後門の狼である。

    それでは債権者に自腹を切って処理させることになるのだろうか。小泉のいう「痛みを伴う」とはこのことだろう。つまり債権者に自腹を切らせるとあおりを食って倒産する企業が続出するだろう。これはすなわち景気の悪化と失業者の増大を意味するのである。日本国民はもろにその痛手をうけることになる。しかしより重要なことはアメリカ経済の崩壊の引き金を引くことになる可能性があることである。以下のサイトにその要点が記述されている。

    http://www.billtotten.com/japanese/ow1/00476.html

    大前研一も最近まともな発言をするようになったものだと感心している。