2001/03/10 アメリカという国家の正体 前頁に戻る |
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「支配の構造−アメリカ」という文章を1999年に書いていたが時間がとれなくてそのままにしている。読んでいただいた方もあったようでこの文章はいずれ完成させたいと思っている。もともとこの文章を書こうと思ったのはビルトッテン氏の著作や彼のインターネットレポート「トッテンズレター(現在アワ・ワールドと改称)」を読み、さらにアメリカの歴史修正学派と呼ばれる方々の著作を読んでいて、そこに日本で礼賛され喧伝されている自由と繁栄の国アメリカのイメージとはまるで遠くへだたた実態が記述されていたからだ。日本の大マスコミはこの事実を報じない。彼らは日本政府とその主人であるアメリカ政府ににコントロールされているロボットであるからだろう。私はこれらの著作から得た情報をもとに自分なりの考察を加えて私のアメリカ観を完成させる必要があった。なぜならアメリカをどうとらえ、どうつきあっていくかということは今一人一人の日本人が真剣に考えねばならない重大な問題であるからだ。すでにわれわれはこの回答をだすことを避けて通れない瀬戸際に追い込まれているといえるだろう。国民一人一人がこの作業をおこたれば悲惨な結果が待っているだろう。太平洋戦争で日本国民は何も考えずお上や国家主義者の「鬼畜米英」の宣伝を真に受け亡国をまねいてしまった。同様にこんどは大マスコミの「理想の国家アメリカ」論を真に受けてアメリカという国家を見誤りアメリカのお先棒を担ぐことで二度目の悲惨な亡国をまねく危険性が十分に考えられからだ。一人一人の日本人がアメリカの実態を知り、アメリカとどう対処するか決断しなければならない。それも自分の判断に基づき自分の意志によってである。私も一人の日本人としてその回答を出す作業にとりかかっていたわけである。 −−−−− ここから −−−−− 小林 至著 太陽企画出版(平成十二年十一月) 「僕はアメリカに幻滅した ―― 繁栄の影でいま何が起こつてゐるのか?」 小林至、この著者は、昭和四十三年生まれ。東大経済学部卒業。プロ野球(ロッテ)に入団。二年で解雇。平成六年渡米してコロンビア大学経営学大学院卒業。平成八年、米国フロリダのケーブルテレビ会社に入社。平成十二年六月解雇されて日本に帰国。六年間の米国生活の体験記、といふ。 この人とこの著書は、今時、貴重だ。東大は東大でも、野球部員。そして、卒業すると、プロ野球に入る。東大野球部からプロ野球に入団する人は滅多に居ない。野球選手のみならず、スポーツ選手は、概むね、知識教養はお粗末であらう。しかし、東大を卒業していれば、まあ、或る程度の学力はある。野球では通用せず、二年で退団。そしてそのあと、米国に留学してMBA(米国の大学院経営学修士)を取る。近頃では、米国でMBAの資格を取る日本人売国奴志願者はきはめて多い。そしてその全員が、ユダヤ化され、骨の髄までの売国奴と化するであらう。しかし、この著者の場合は、少し違ふ。コロンビア大学でMBA(経営学修士)を取つたあと、金融界に入らずに、スポーツ関係の小さなテレビ局に入つた、といふ。つまり、この人の四年間の仕事上の地位は、中より以下。生活して見ると、米国の社会の仕組みは、貧富の差を拡大して社会を二極分化させる、最悪のものであつた。日本では、米国を地上天国のやうに描き出すアメリカかぶれの言論が充満して居る。それ以外のアメリカ観は、事実上、日本のマスコミには存在しない。この著者も当然、さうしたマスコミ言論で洗脳されていた。しかし、現実に米国で生活して見ると、大違い。いや、「違い」、といふ程度でない。そのことに著者は気付いた。のみならず、その会社から解雇されるときの会社側の仕打ちがすさまじい。 「人間味を捨てた者だけが『勝ち組』になれる」(二百三十四頁)、それが米国である、という。 米国の一般人の間では「医者と弁護士は悪者」、といふ評価が常識化した(百二十三頁)、という。いづれも、ユダヤ禍の典型である。 十五、六世紀、ユダヤ教のラビがユダヤ教徒に対して与えた、史上、有名な訓戒に、 第一位 オランダ(14・4%) 第二位 米国 (14・1%) 第三位 英国 (13・1%) つまり、貧しさ度上位三ヶ国が、見事に、ユダヤ化フリーメーソン化のもつとも進んだ国なのだ。これを言い換えれば、ユダヤイルミナティ国際金融寡頭権力の本拠地、である。 日本は第九位、三・七%。 とある。ところが、あら不思議。日本では、まぎれもない地上最悪の地獄たる米国を、地上最高の天国楽園唯一普遍の理想文明の国、としてほめたたへるアメリカかぶれ国賊売国奴がマスコミと学界政界官界宗教界芸能界財界を完全に掌握している。これは一体何のことか。摩訶不思議、とはこのことだ。 斎藤貴男著「機会不平等」(文芸春秋社、平成十二年十一月)。 この本は、この十年ないし十数年、とりわけ平成元年(一九八九年一月)以降、狂つたやうに推進されている「アメリカ化」によつて、日本の国家社会の全分野に於て、惨澹たる状況が展開されつつある、その記録である。成るほど、良く調べられている。しかし、にも拘はらず、あれよあれよといふ間もなく、最短期間で日本の伝統がたたき潰され、アメリカ化される。つまり、日本の国家と民族の解体破壞壞滅死亡宣告である。そしてその悪逆無道なやり口に対して、意味のある抵抗はゼロに近い。一体、これは何のことか。 小林至氏は、米国の正体(本質)は、金権寡頭権力体制だ、と述べている。米国には、「民主主義」など、ひとかけらもない、と断定しておられる。全く正しい。いや、正しい、などと改めて云々するのも阿呆らしい。そんなことは常識中の常識だ。しかしそれでは、何故そのあまりにも当り前の常識が日本のマスコミによつて日本国民に伝へられないのか。何故日本のアメリカ問題専門家学者官僚ジャーナリストマスコミ芸能界宗教界そして政治家などによつて、その自明の事実が、日本人に教へられないのか。 日本は完璧に亡びた。「日本国」と自称するしろもの、それは、ニセモノの日本国、以外の何者でもない。 B・K・エヒクマン著「アメリカ人の心の複製」(Cloning of the American mind)はこの際必読だ。エヒクマン女史には「新世界権力のための教育」(一九九一年)、「マイクロチップを埋め込まれるといふこと。教育体制権力はどのやうにして我々をビッグ・ブラザーの更にその先へ突き出したか」(一九九四年)、 といふ著作があるといふ。「ビッグ・ブラザー」とは、例のジョージ・オーウェルの「一九八四年」に登場する未来の独裁者を意味する。つまり、我々が、「一九八四年」に描かれた状況よりもはるかに高度化した独裁体制に既に組み込まれている、といふ。 斎藤貴男著「機会不平等」は、オルダス・ハクスレイの「すばらしき新世界」の「優生学」を問題として居る。「優生学」は、左翼イデオロギー、右翼イデオロギー、そのいづれにも関係ない。むしろ、左翼、右翼を超越している。その上に君臨する何者かである。そのことに、この斎藤といふ著者は、ほんの少々、気付いている。それは結構だ。それにしても「優生学」といふ日本語の訳語は良くない。その意味するところは、優勝劣敗。優れた者を生かし、劣つた者を殺すこと。従って、勝ち残つた者同士の競爭は、加速度的に強化されて行く。その結末は何か。 ジョン・コールマン博士によれば、三百人委員会は、地球人口八、九割殺戮処分計画を実行しつつあるといふ。コールマン博士のこの警告は、荒唐無稽な放言か。いやさうではない。英国(ユダヤイルミナティ世界権力の本拠地)には、この二百年来、 小林至氏は、「米国崇拜もいい加減にしろ!」(七十九頁)、 と言はれる。 −−−−−− ここまで −−−−−− 価格が一部1800円と少し高いが、買って読むに十分価値のある本である。一読をお薦めしたい。
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