1999/01/15 不良債権とは何か
前ページに戻る
ところがわれわれ庶民は不良債権はイコール貸し倒れと考えがちである。
不良債権とは永久に価値の失われてしまった損出とみなしてしまうのである。
こう考えるのは、われわれ庶民が頭が悪く、物事を深く考えないからだろうか。
私はそうは思わない。不良債権イコール貸し倒れと言った暗いイメージが知らず
知らずにマスコミを通じて流され、庶民がそれに洗脳されてきた結果ではないだ
ろうか。これは意図的な情報操作があると考えられる。
現在の代表的な不良債権といえばバブル時期に銀行やノンバンクが不動産会社
に貸し付けた債権で、具体的にはその担保として残った土地のことである。
要するに銀行が不動産会社に10億円の金を貸し付けたが、その不動産会社が
倒産してしまい、1億円の価値しかない土地が手元に残ったということである。
差し引き9億円の損失ということになるのである。しかしこれはあくまで現時点での
話なのである。何らかの原因で土地の騰貴が起これば損失はチャラになり利益
を生むかもしれないのである。
バブルとはある物の価値が通常の状態より極端に上がることである。バブル崩壊
とはその物の価値が通常の状態以下に逆戻りすることである。日本の場合はこの
物が土地であったわけだ。だがこれは過去形で終わる話ではない。日本の土地は
これからもバブルの対象として上下動をくりかえすのである。なぜなら世界一の
債権国日本において唯一確実な指標となりうるものは限られた国土である土地
以外にありえないからだ。
バブル期にそれにたかった連中はみんな土地で大損をしたようなことがいわれる。
また一般に庶民の間にはそんなイメージがまかり通ている。それはマスコミが破産
した銀行、ノンバンク、証券会社、不動産屋の悲惨な情報ばかりを垂れ流すからだ。
しかしそれは大ウソである。土地を株に置き換えて考えてみれば合点が行くだろう。
株で大儲けをするのは株価が最高潮に達した時点でうまく売り逃げた人間である。
土地だって同じだ。バブル崩壊寸前に売り逃げた奴は大儲けをしているはずである。
不良債権というババをつかまされた者がいれば、必ずそいつに最後にババを渡した
ものがいるはずで、そいつは必ず大儲けをしているのが道理なのである。
マスコミはババをつかまされた間抜け者の悲惨な報道を繰り返し、けっして大儲け
をして勝ち逃げた者のことは報道しない。そして不良債権の発生があたかも天災
であるかのごとく報じてそのからくりを追求しようとはしないのである。さらに政府は
不良債権を庶民に貸し倒れと勘違いさせ、ババをつかまされた間抜け者に対して
60兆円もの血税を投入することを決定したのである。そんな中、金融ビックバンの
恩恵を受けた外資系投資銀行が都心の一等地を安く買い漁っているという。さらに
今年に入ってから土地の価格が不気味にもわずかづつ上昇し始めているのである。