1999/01/08  公務員の採用条件を変えよ                                                前ページに戻る


                                                          
公務員とは公僕、つまり政府が行政を行うために国民にサービスを提供する
ために雇ったサービスマンのことである。政府を会社に例えるなら公務員は
さしずめ営業マンやメンテナンスのサービスマンにあたるのである。

民間会社の営業マンやサービスマンであるならば、常に顧客の厳しい要求に
さらされており、現実をよく認識している。お客にそっぽを向かれては売り上げ
が上がらないので、会社は厳しく彼らを査定し、実績の悪いものはさっさと首に
してしまう。そんなこんなで首にされてはたまらないので、彼らは旺盛なサービス
精神を発揮し顧客を大切にするのである。お客様は神様なのだ。

ところが公務員にいたっては国民を神様だなぞと思っていない。それどころか
自分は庶民よりも一等高級な人間だと思い込んでいる。「俺は難関の公務員
試験をパスしたエリートなんだ」という意識が、上は大蔵省から下は町役場の
職員までありありと見え隠れしているのだ。

公務員が現実認識を欠いている最大の欠陥は彼らの給料が一体どこから支払
われるのかをまったく理解していない点にある。彼らは役所に出勤し、定められ
た仕事をこなしていれば、その行為が金を稼ぎ、当然賃金を支払われるものだと
思い込んでいるのだ。冗談じゃない。彼らは一円だって稼ぎ出してはいないのだ。
彼らの給料は彼らの小馬鹿にする庶民や民間会社が苦労して稼ぎ出し、国家に
よって合法的に強奪された税金という名の金なのである。彼らを食べさせている
のは他ならないわれわれ庶民なのである。

この現実認識がないのは彼らが民間にいて一円の金を稼ぎ出すことの難しさを
経験したことがないからである。つらい営業活動に耐えて利益を上げていくことの
厳しさや切なさを身を持って体験したことがないからなのだ。つまり世の中の実相
がまったく理解できていないところに起因しているのだ。

そこで提案だが、公務員採用の条件として
「最低5年以上の民間企業での営業活動を経験し実績を上げたものに限る」
という条項を付け加えるよう採用条件を変更すべきである。

二十歳そこそこの若僧を、暗記一辺倒のしょうもない試験の結果の良し悪しで採用
し、そのまま世間知らずのとっつあん坊やに純粋培養している現状では、大蔵省や
厚生省で不祥事が起こらない方が逆におかしいのである。まったく国家の人事採用
の基本が根本からまちがっているのである。

国民の立場から考えても、世間のことをなにも知らない若僧に相談を持ちかけ邪険
にされるよりも、世間のことを知り抜いた経験豊かな年配者に公務に関する相談を
持ちかけて親切に接してもらう方がどれだけ気が休まるものか分かたものではない。
これだけで日本国はそうとう明るくなるはずだ。

この採用条件は一般の公務員だけでなく、教員や警察官についても同様にすべき
である。さらに大蔵省の課長以上の幹部に対しては
「民間企業で経営者として10年以上の堅実な経営を続けた実績のあるものに限る」
という厳しい条件をつけるべきである。